亡くなった人の健康保険証については、加入先を確認し死亡の連絡を入れ、所定の手続きをする
- 手続きする際の注意点
- 葬祭費が請求できる人は忘れず申請しよう
この記事では、亡くなった人の健康保険証の扱いについて解説します。
その人がどこに加入していたかにもよりますが、
- 加入先に死亡の連絡を入れる
- 加入先の指示に従い保険証も返納する
というように、手続き自体はとてもシンプルです。
ですが、例えば
- 世帯主が亡くなった場合
- 扶養者が亡くなった場合
少し注意が必要です。
それでは詳しく解説していきます。
目次【本ページの内容】
1.健康保険加入者が死亡した場合の手続き方法
健康保険加入者、つまり、被保険者が亡くなった場合の手続き方法について解説します。
1-1.加入先に加入者の死亡の連絡を入れる
まずは、保険証に記載されている保険者(加入先)に連絡を入れ、加入者の「資格喪失」の手続きをしてもらいます。
【国民健康保険の場合】
連絡先は、亡くなった人が最後に住民登録をしていた管轄の役所になります。
(または、手元に保険証がある場合は「交付先」から役所を確認するよいでしょう。)
多くの場合、死亡届の提出先でもあるため、国民健康保険の資格喪失の手続きも同時に行ってくれます。
よって、別途手続きは不要となります。
【その他、全国健康保険協会、共済組合等の場合】
連絡先は、加入先(保険者)になります。
(手元に保険証がある場合は「保険者」から確認するとよいでしょう。)
勤務先によっては、勤務先が窓口となり手続きを進めてくれる場合もあります。
各保険者に加入者の死亡の連絡をし、喪失届等の入手方法や必要書類などを確認しましょう。
(参考)全国健康保険協会(協会けんぽ)は、埋葬費の請求をすることにより資格喪失の手続きを同時に行うようです。
1-2.加入先に保険証を返納する
手元にある保険証は、基本的に保険者(加入先)に返納します。
返納するタイミングは、保険者によって異なります。
(まれに、各自で処分するよう案内される場合もあるようです。)
保険証と併せて、「(健康保険)高齢受給者証」などを所有していた場合は、一緒に返納しましょう。
※(健康保険)高齢受給者証とは
70~74歳の保険加入者に対し各保険組合から発行され、収入などの状況により、医療機関等の窓口において一部負担金の割合が変わることを示す証明書です。
提示することで保険料の負担を軽減することができます。
75歳になると後期高齢者医療制度に移行し、「後期高齢者医療被保険者証」が発行されます。
2.【注意】亡くなった人が世帯主/扶養者だった場合の手続き
次の2つのケースに該当する場合、手続きに注意が必要です。
それぞれ解説します。
2-1.国民健康保険加入者の世帯主が死亡した場合
国民健康保険加入者のうち、世帯主が死亡した場合は、以下の手続きが必要になります。
- 世帯主の資格喪失手続(死亡届と同時)
- 世帯全員分の保険証の返納
- 世帯主変更届の提出
世帯主が亡くなったことにより、新たに世帯主を立てて家族の保険証を作る必要があるためです。
(事例)
(死亡前) (死亡後)
父:自営業 = 加入者(世帯主)→ 資格喪失
母:専業主婦 = 加入者 → 加入者(世帯主)
子:中学生 = 加入者 → 加入者
※必要な手続き
- 父の死亡届の提出
- 父、母、子の保険証の返納
- 母の世帯主変更届
(後日、番号と世帯主が変更された新しい保険証が交付されます。)
2-2.その他の保険組合等加入者の扶養者が死亡した場合
健康保険に加入していた人が亡くなり、その扶養に入っていた家族(被扶養者)は、国民健康保険の加入へ移行する必要があります。
(亡くなった人の健康保険に加入し続けることはできません。)
(事例)
(死亡前) (死亡後)
父:会社員 = 被保険者 → 資格喪失
母:専業主婦 = 父の扶養 → 国民健康保険の世帯主
子:中学生 = 父の扶養 → 国民健康保険加入者
※必要な手続き
- 父、母、子、の資格喪失届、保険証の返納
- 母の国民健康保険の加入届、子の加入届
3.葬祭費も忘れずに申請しよう
各健康保険組合から、葬儀に関する費用(葬祭費等)が支払われる場合があります。
いずれの保険組合であっても、必ず、申請しなければ支払われることはありません。
申請に必要な書類などもあるため、死亡の連絡をする際に併せて確認するようにしましょう。
4.まとめ
加入者の死亡に伴う健康保険に関する手続きは、
- 加入先へ死亡の連絡
- 加入先へ保険証の返納
があります。
また、
- 加入者が国民健康保険の世帯主だった場合
- 加入者がその他健康保険組合加入者でかつ扶養者だった場合
は、これらに加えて必要な手続きがあるため注意が必要です。
他にも、葬祭費等の請求ができる場合があるため、各保険組合に確認したうえで、忘れず手続きをするようにしましょう。