〈書籍紹介〉障がいのある子の「親なきあと」の本を読みました

今日の雑談

とことん相続ブログ

 

こんにちは。

遺産相続手続まごころ代行センターの広報「こころん」です。

 

先日、ダイヤモンド・オンラインでこんな記事を見つけました。

作家・宮部みゆきが「泣けた」と絶賛する本は?「家族」がテーマのおすすめ4冊

この見出しに惹かれ読んでみると、最初に紹介されていたこちらの本がちょっと気になりまして。

書籍_障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」

障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」という本です。

 

早速入手いたしました。

今回は、その感想を綴ってみたいと思います。

 

 

※書籍の中で、筆者も「障害」「障がい」「障碍」の表記についてコラムで述べられています。そのうえで「障害」で統一されていますが、わたし(こころん)としましては、「障がい」表記で統一して書いていきたいと思います。

 

1.〈前置き〉なぜこの本が気になったのかというと

この記事を読んだときに最初に思い浮かんだのが、東京のひきこもり支援団体「青少年健康センター茗荷谷クラブ」様のことです。

ご縁をいただき、茗荷谷クラブ様が制作された冊子に、当センターについてもご紹介いただきました。

 

昨年末に一度お伺いしたこともあり、ひきこもりについて、またその親御さんが抱える悩みについて現状を教えていただきました。

 

その流れもあって、必然的に「障がいのある子」の親も、同じような悩みを抱えている可能性も考えており、アンテナを立てておりました。

 

そんなときに出会ったのが、こちらの本でした。

 

2.「遺言書」だけでは対策は万全ではない現状

まず、改めて思い知ったことは、障がいは多様であることです。

状況は、個人によって異なるため、なかなかひとくくりにできません。

それもあって、この本では中でも「知的障がい者」「精神障がい者」「発達障がい者」など、

本人の判断能力などに支障があるために、親がいなくなったあとの日常生活にサポートが必要な人

を想定されています。

 

そのような子どものために親ができることとして、相続手続きを代行している事務所としては、真っ先に浮かぶのが「遺言書の作成」です。

 

ですがそもそも、相続とは亡くなった人の財産を相続人に引き継ぐことです。

実際に、わたしたちが日ごろ相続のお手伝いさせていただいている通り、相続手続き自体は代わりの人でも可能なのですが、相続が終わっても、障がいのある子どもの人生は続きます。そのなかで、

  • どうやってそのお金を使ったり、管理するのか?
  • 住む場所はどうするのか?(特に障がい者本人の老後など)
  • 身の回りの生活のことは続けていけるのか?

こういったことも想定しておかなければなりません。

つまり、遺言書だけでは「親なきあと」のすべてをカバーできるわけではないということです。

 

3.障がいのある子の「親なきあと」を考える

筆者も著書の中で、「わが子にふさわしい制度を見きわめる」必要性を説いています。例えば

  • 法定後見制度
  • 任意後見制度
  • 日常生活自立支援事業
  • 公正証書遺言
  • 財産管理等委任契約と尊厳死宣言
  • 福祉型信託制度

などを挙げていますが、「これさえやっておけば大丈夫!」なんてことはなく、時期などにも応じて掛け算で対策をしておく必要があるようです。

(※著書内では、制度の概要もしっかりと紹介されていますのでご安心ください!ここでは割愛いたします)

 

制度自体にもメリット・デメリットがあるでしょうし、障がい者本人にもできること・できないことがあると思います。向き不向きもですね。

 

特に、筆者は「親が元気なうちに早めの準備を」と強調しています。

それは、今はまだ親自身が元気で、障がいのある子のサポートができているとしても

親自身の高齢化

にも備えておく必要があるからです。

そして、自身の死後に相続が無事に終わったとしても

障がい者自身もいずれは高齢になること

まで見据えておくことも大切になります。

 

障がいのある子を持つ親としてできること、してやれることは実に多様で、とにかく情報を収集して備えておくことがポイントになるようです。

※著書の目次のうち、

  • 第三章:「親なきあと」のお金をどう管理するか
  • 第四章:「親なきあと」の住まいと身の回りのフォロー
  • 第五章:「親なきあと」の事例を見る

は特にわかりやすい印象でした。

「そういう制度があるのか!」「そういうことに備える必要があるのか!」「そういう事例があるのか!」気付きが満載です。

 

4.まとめ

障がいのある方を取り巻く環境から、制度の紹介、そして、実際にどういうふうに動いていけばいいのか、とても参考になる内容でしたので、「なにかしなくては!」と漠然とした不安があるような方には、ぜひ一度手に取ってみて欲しい本だなと感じました。

 

わたしは、相続手続きを代行する事務所として、相続手続き・遺言書作成の分野でもっとお手伝いできることはないかと、勉強のために手に取りました。

知識としては、この本だけではまだまだ不十分かもしれませんが、相続・遺言においては「お困りになる方がひとりでも減るように」の想いでサービスを提供しておりますので、何かお力になれることがありましたら、事業者様をはじめ、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

 

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この記事監修者 こころん

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