こんにちは。
遺産相続手続まごころ代行センターの広報「こころん」です。
新年あけまして一発目のブログです。
(本年もどうぞよろしくお願いいたします!)
早速ちょっと重たい話となるのですが…
昨年末に発表されたこのニュースをご紹介したいと思います!
「相続人いない財産」過去最多768億円が国庫へ 昨年度
相続されない財産とは?
そもそも、人が亡くなると、その人の財産は相続人や受遺者(遺言書で指定された人)に引き継がれます。(それが相続です!)
とはいえ、例えば以下のような状況も発生しうるのです。
- 相続人が全員亡くなっている
- 相続人はいるが、その人たちが全員相続放棄をしている
こうなってしまうと、財産を相続する人がいないことになります。
相続されない財産の行きつく先
わたしもこの事務所で相続を学んでいく中でびっくりしたんですが、相続人がいない財産は、国に帰属されるんです!!
要は、お国のものになるんですね。
といっても、いきなり「はいどうぞ!」と国に渡されるものではありません。
以下の記事でも詳しくご紹介していますが、まず家庭裁判所で「相続財産清算人」が選任され、その人が亡くなった人の財産の清算活動をします。
(特に、相続人が全員相続放棄をしているような場合は、亡くなった人に多額の借金があるような場合もありますから)
この相続財産清算人が借金なども含めてきれいに清算し、そのうえで財産が残った場合に国に帰属されるのです。
(ここではだいぶあっさり紹介していますが、実際は手続きの手間や時間も結構かかるため、想像以上に大変な作業となります…!)
国に帰属された768億円の重みとは
では本題に戻りましょう。
このように受け継がれなかった相続財産が国に帰属された金額をまとめたところ、昨年度(2022年度)の一年間で合計すると、なんと768億円にのぼった!というのが今回のニュースであり、取り上げたかった事実です。
この数字がいったいどういうものかというと、NHKさんの記事が紹介してくれています。
【事実①】
2013年度の総額は336億円で、この9年間で倍以上に増えたことになります。
とはいえ、死亡者数も年々増えていますので、あまりピンと来ないかもしれません。
では、次の事実はどうでしょうか?
【事実②】
相続人がいない財産の処理はどのくらい行われているのか。
最高裁判所によりますと、相続財産清算人(法改正前は相続財産管理人)の選任件数は年々増え続けています。
▽2016年 4817件
▽2017年 5024件
▽2018年 5101件
▽2019年 5184件
▽2020年 5818件
▽2021年 6233件
▽2022年 6653件
こりゃ増えすぎですね。
(まとめ)こころんが思うこと
NHKの記事では、「遺言書を書いとこうね!」と締めくくっています。
たしかにそうかもしれません。
もしこの事実(相続されなかったら財産は国に帰属されること)を知っていれば
- だったら親しかった〇〇さんにあげようかな
- だったら、〇〇に寄付しようかな
といった選択をした人もいたかもしれませんね。
これらの選択が実現できるのは、遺言書に限ります。
自分が亡くなった後のことなんて…
と誰もが考えるでしょう。
でも、相続手続きの現場を多数見てきた当センターからすると、今回の768億円という事実も踏まえて、やはり、遺される家族に手間をかけさせるよりは、自分の意思を綴って、かつ遺言執行者を指定しておくことで、よりスムーズに自分の意思通りに財産を「渡したい相手に」渡すことができます。
ぜひ遺言書作成も、頭の片隅で検討してみてくださいね!