こんにちは。
遺産相続手続まごころ代行センターの広報「こころん」です。
手書きの遺言書(自筆証書遺言)があった場合、開封せず、まずは家庭裁判所で検認の手続きをする必要があります!
(※法務局で保管されていたものを除く)
- 検認の申立てはどうやるの?
- 申立てには何が必要なの?
といった、手続き方法の解説はたくさんネット上に転がっていますが、検認期日(検認の当日)の流れの情報はあまり出てきません。
そこで、行ってまいりました、家庭裁判所。(←ウチの行政書士が!)
しかも、申立人として!!(←ここ重要)
その報告を受けて、実際当日はどんな感じで検認が進むのか、ご紹介したいと思います!
〈前提〉検認に立ち会えるのは、申立人及び相続人のみ!
当センターでは、検認のサポート(必要書類の収集、裁判所への申立て、検認当日の同行など)もさせていただいておりますが、そんな我々でもサポートできないことがあります。
それは、実際に検認するその部屋に入ることです!
(※弁護士は代理人として参加することが可能ですので、ご希望に応じて当センター弁護士が対応することもあります)
そこには申立人及び相続人(またはその代理人である弁護士)しか入れないのですが、今回、当センターの行政書士がその人の遺言書を預かっていたため(←遺言書作成からお手伝いをしました!)、遺言書の保管者として検認の申立てをしました。(つまり申立人です!)
ちなみに、検認の申立てができるのは
- 相続開始時点で現に遺言書を保管している人
- 遺言書を見つけた人
です!
検認期日(当日)の流れ
ここからは、検認の申立てをして、裁判所と日程の調整を済ませ、そして迎える検認期日の当日の流れを実体験に基づきご紹介します。
検認期日は、事前に全関係者(申立人及び相続人)に紙で通知が届きます。
その紙に、「当日は〇〇裁判所の●階の◎◎◎◎に来てください」といった記載があるはずです。
その指示に従って、決められた日時に指定の場所まで行きましょう。
指定されていた待合室に入ると、事前に用意された氏名などを記入する用紙があったので、「申立人」の欄に記名しました。
同じ用紙に「相続人」の欄もあるので、当日参加する相続人は、そこに記名することになります。
そうして、書記官が呼びに来るのを待ちます。
定刻になると、書記官が呼びに来ます。
(書記官は、その検認を担当する係のような人で、最後までその方が案内してくれます。)
その後、弊所スタッフは調停室に案内されました。
入室後は指定された席に座り、申立人は遺言書の原本を書記官に渡します。
書記官は内線電話を使い、裁判官に準備ができた旨を伝えます。
裁判官が入室し、いよいよ検認が始まります!
裁判官は遺言書を手に取り、封されていた場合は開封し、遺言書をざっと確認します。
一言一句の内容の確認というよりも、遺言書としての体裁が整っているかの確認をしているというイメージです。
そして、書記官が開封された遺言書を検認の参加者のところへ持ってきて、
- 筆跡は本人のものですか?
- 印鑑は本人のものですか?
といった確認がありました。
もちろんその場で筆跡鑑定などをするわけではありませんので、もしわかれば教えて下さい程度の確認でした。
(この場のやりとりは、裁判官や遺言書等によると思います)
ここまでの所要時間は10分もかかっていないと思います。
裁判所での手続きというとすごく厳かなイメージがあるかもしれませんが、実際はすごくあっさりしていました。
検認自体は終わりましたので、あとは事務的な手続きを済ませます。
書記官から「検認済証明書」をもらうために、収入印紙を購入します。
(検認した遺言書1通につき150円分で、裁判所内に併設しているコンビニなどで購入できます)
その収入印紙と引き換えに、書記官から「検認済証明書」を受け取ると、全ての手続きが終了です。
裁判所内は撮影NGですので、画像で詳しく案内することはできませんが、おおよその流れはこのような形となっています。
自筆証書遺言は、遺言する本人にとってはとても気軽で、思い立ったらすぐ作成できるメリットがありますが、相続人になる遺された家族にとっては、この検認をしなければならない点が、負担に感じられるかもしれません。
遺言書はぜひとも書いておいてほしい!というのが、当センタースタッフ一同の想いではありますが、もしまだ作成するのに時間的な余裕がある場合は、検認が不要な
- 公正証書遺言(公証人と作成する遺言書)
- 自筆証書遺言だが、法務局に保管しておく(自筆証書遺言書保管制度)
のいずれかで準備をしておくとよいでしょう。
検認について、または遺言書作成についてお悩みの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。