こんにちは。
遺産相続手続まごころ代行センターの広報「こころん」です。
今回は、相続登記のお話をしようと思います。
相続によって不動産を取得した場合、その不動産の名義を変更する手続き、いわゆる相続登記をすることになります。
(正確には「相続による所有権転移登記」と言います)
相続登記について詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。
相続登記は、その不動産を管轄する法務局で行います。
登記申請書や遺産分割協議書などの必要書類を提出し、登録免許税を支払うことで、手続きは完了します。
しかし、相続登記をした直後に、不動産業者から
- 相続した土地を活用しませんか?
- 相続した不動産を売却しませんか?
といった営業DMがたくさん届いたという声はよく聞きますし、実際、それってよくあります!!
わたしも、事務所での会話でその事実を知り、「なんで?!」と思って詳細を聞きました。
そして、ちょうどこちらの新聞サイトでも取り上げられていたのを拝見し、より詳細な実態が見えてきたので、このサイトも参考にしながら、このDMが届くカラクリについてお話していきたいと思います。
土地相続直後、なぜDM 業者、法務局の受付帳で把握か 識者で割れる公開可否(下野新聞)
1.〈悲報〉だれでも閲覧できてしまう「受付帳」の存在
受付帳とは、
- 不動産登記規則に基づき、全法務局に備えられている資料で
- 全国の法務局が、不動産登記の更新状況を業務上まとめたもの
(前述の下野新聞の記事参照)
というもので、全国の法務局に設置されているそうです。
この受付帳には
- いつ(日付)
- どの不動産が(該当する不動産の所在)
- なぜ(どういう理由で所有者が変わったのか)※相続や売却など
といったことが書かれています。
ちなみに、受付帳には「誰のものなのか」といった、個人を特定する情報はありません。(ご安心ください)
ですが問題は、
この受付帳が「行政文書」に該当することから、開示請求で誰でも入手ができる
(前述の下野新聞の記事より引用)
ことです。
これを見ると、どの不動産が、最近相続されたのか特定できることになります。
2.〈悲報〉残念ながら現行法では「DMはルールに則っている」
所有者までは特定できない「受付帳」で、どうやって所有者(個人)がわかるのかというと、登記情報提供サービスというものが存在します。
登記情報提供サービスは、登記所が保有する登記情報をインターネットを使用してパソコンの画面上で確認できる有料サービスです。
(登記情報提供サービスより引用)
※法務局の窓口でも、開示請求して閲覧できます。
登記情報は、不動産(土地や建物)に紐づいて情報が管理されています。
つまり、調べたい不動産の住所さえわかれば、登記情報の提供を受けることができてしまうのです。
(※ただし利用は有料です)
そのため、不動産業者からDMが届くカラクリというのは
❶受付帳の開示請求をし、相続された不動産を特定する
↓
❷その住所をもとに登記情報の開示を受ける
↓
❸いまの所有者が判明する(ここに所有者の名前と住所が載っています!)
↓
❹DMを送る
ということになります。
受付帳の開示も、登記情報の開示も、所定の手続きに従って行っているため、それ自体はルールには則っており、こうした方法でDMを送ってくる業者もいるようなのです…
3.〈対策〉当センターがやっている「せめてもの対策」
ネットでも調べていくと、やはり「不動産相続」においてはよくある話だそうですが、そういう業界にでもいない限り、まさか登記情報が丸見えなんて!思いもしませんよね💦
当センターでも、「こうしたことが起こりえる」ことは把握しています。
ですが、現行のルールに従って、不動産を相続したからには登記する必要があります。
そこで、当センターができる「せめてもの対策」としては、
ことです。
相続手続きを進めている最中に、山のようなDM等で手を煩わしたくありませんしね。
あとは、こういったことがあるんだ、と知っておくことも大切です。
いきなり知らない業者からDMが届くとびっくりしますし、代行を頼んだ業者から個人情報が漏れているのでは?と思いたくもなります。
なんとかこの「誰でも見れる」環境に、少しでも制限がかかることを願ってやみません。